聞いた話…

毎回役に立つような、立たないようなコラムですが。
今日はマジメに、アールミュージックのあくなき音質へのこだわりをご紹介します。

先日、同じ業界のある社長に聞いた話。
その社長がある高校生の音楽コンクールで目撃したこと。
記念CDを販売している業者さんが、会場にいたそうなんですが、
なんとCDが演奏したその場で、即納品。
楽屋では10数台のデュプリケート(コピー)マシンがずら〜っと並んで、
大量のコピーを作成していたそうです。

はい、ここまでは良いんです。
うちだって少しでも早く納品したいし、出演者の方だって一刻も早く聴いてみたいでしょうから。
ただし。
その業者さん、天井にある3点吊りマイクの音を、何の編集もせずそのままコピーしてたそうなんです。
それが2,000円で販売・・・
ジャケットもレーベルも、文字が入っただけの質素なモノ。
へぇ〜、いい商売してんな。
とその時は思いました。
羨ましいよ。
楽ちんで。

でも、そんなんで良いのかい?
オレは嫌やねぇ。
(急に言葉遣いが悪くなってすいませんねぇ)
3点吊りってのは、”無難”ではあるけど、必ずしも一番良い音を狙えるポジションとは限りませんから。
リハの音を聞いて、「よっしゃ、これなら3点吊りの音が一番良いっ!」と判断したんなら、それはもちろんOKでしょうけど。
コンクールのように、次から次へいろんなバンドが出てきて、いろんな曲を演奏する場合。
果たしてそれでいいのか?

うちならこうしますよ。
まず、3点吊りをオンにセッティングし、それに加えてアンビエンスマイクを客席の邪魔にならない場所に設置します。 それと、ステージ上または客席最前列あたりに、オンマイクを数本。
で、レコーディングセッションのためにホールを借りてるならともかく、演奏会やコンクールのように リハに十分時間が取れない現場では、全部パラで録ります。
音源は持ち帰って、じっくり検討しながら編集(ミックスダウン)。

そして、その編集についてですが
ポップスならともかく、クラシックの楽曲に対して、積極的な編集が必要なのか?
どこまで音をいじって良いのか?
というのは非常に難しい問題だと思います。
「録ってそのままが一番良いんだ!」 「手を加えるなんて邪道!」という意見もありますが。
それを言うなら、”3点吊り”だって邪道といえば邪道ですよねぇ。
あんな位置で演奏を聴いている人なんていないわけですから。

あくまで控えめに、でも演奏者の意図が少しでも多く伝わるように。
(そもそもナマの演奏に比べると、録音した音なんて何十分の一しかその迫力・感動は残せないものだと思います)
各トラックのパン・EQ・ボリュームのオートメーションを描き、コンプレッサー・リバーブなどのエフェクトを効果的に使用し、最適な”音”を納得いくまでさぐります。

録音なんて、音が聞こえりゃ何でも良いんだよ!
そう言うあなた。
一度うちの録音をお試しになってみては?
きっと新たな発見があるはずですよ。
(おぉ〜、今日はエライ見栄張ってしもたな…)

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