JASRAC…
日本音楽著作権協会。
うちのHPをご覧になっているあなたには、多少なりとも関係のある団体ですね。
ここ最近、お客様から著作権について尋ねられる機会が多かったので、
今日は著作権とその管理団体であるJASRACについて…
まず、著作権について。
形には残らないモノでも、「これはワシが考えたんじゃ」「オレの発明だ」という権利があります。
これが知的所有権です。
著作権は、この中に含まれています。
知的所有権に含まれるものとして、他には工業所有権(特許権・実用新案権など)があります。
ではその著作権をさらに細かく見てみますと…
1:著作者自身に認められた権利
著作権
2:著作物の伝達の役割を持つヒトの権利
著作隣接権
自分のオリジナルでない曲(つまりコピー・カバーですね)を、演奏したりそれを録音したりする場合に
関連があるのは、2の著作隣接権です。
デザインや楽曲を制作する方に関係あるのは1の方です。
(1には”自分の名前を表示させる・させない=氏名表示権”や
”内容を勝手に変更されない=同一性保持権” などがあります)
うちの仕事の関係でよく扱うのは、演奏権・録音権ですね。
たまにこの二つを混同してる方がおられます。
CD制作に関する著作権申請のお話をしていると、「あ、うちはもうそれ払ってある!」とおっしゃるのですが、
よく聞いてみると、それは演奏権のことだったりします。
(このケース、結構多いです)
ではJASRACは具体的にどのような業務をしているのか…
上記のような権利がある著作物を使用して、一般ユーザーが演奏や録音を行う時に、
当然その対価を支払う必要があります。
(ここも要注意です。無料配布でも著作権使用料はかかる場合があります)
ただ、「ライブやって、そのついでにCDも作っちゃおうか」っていうバンドが、
いちいち作曲者や作詞者に連絡とって、「幾ら払えばいい?」ってなことをするのも大変ですよね。
それを代行してくれるのが、JASRACなわけです。
日本国内に限らず、海外の殆どの国の著作権管理団体と提携(?)しているので、
外国曲でもJASRACを通じて著作権使用の申請をすることができます。
で、演奏や録音をするたびに支払ったお金はどこへ行くかというと…
著作者へ還元されています。
(…のはずです)
だいたいお分かりいただけましたか?
好きなアーティストだから、その曲を演奏するんですよね?
尊敬に値する曲だから、録音して残すわけですよね?
では、それを作ったヒトに、それ相応のお礼はしましょうよ。
というのが、著作権の趣旨です。
(たぶん)
と、これだけ書くと、すごくJASRAC贔屓な業者さんかと思われるでしょうが。
(ま、相手が相手だけに”贔屓”もへちまもないんですが)
正直言ってしまうと、”うざい”相手には違いないですね。
”使えない人たち”とでも言うのか。
電話なんかでの対応も横柄なとこあるし。
一応、「使用料を払います」 って言ってるんだから、こっちはお客さんなわけでしょ。
世の中には、”訴えられてもJASRACにだけは1円たりとも払いたくない!”っていうヒトもたくさんいるわけですよ。
(”JASRAC”でネット検索してみてください。悪口サイトが一杯出てきますよ)
役員内部からも批判の声が上がっていたりするわけです。
そんな中、殊勝にお金払おうってヒトには、もう少し丁寧な対応をした方が良いと思うんですけどねぇ。
で、もう一つは現在のシステム。
やたらとお金取りたがって、シール貼らせたがるけど。
↑
こんなヤツね。
これもどうなんだろね?
シールを貼る手間ってのを考えてみたことあるのかな?
10枚や20枚ならまだしも。
500枚や1000枚のCDを作る場合でも貼れって言うんだから…
で、このシールを貼って、許諾番号をジャケットやレーベルに印刷して、
お客様の元へ届けるわけですが。
CDを受け取ったエンドユーザーからすると、このシール・許諾番号が正しい申請の元に発行されているのかどうか、確かめる手段がないのが現状なんです。
「もしかして、曲数を適当に減らして申請してない?」とか「100%世間様に恥ずかしくないCDなのか?」って
疑問に思っても、それを確認できないわけです。
自分が出した宅急便でも、今どこにいるかがすぐに分かる今日この頃。
これもおかしな話ですよねぇ?
「飲食店でのBGMも課金対象にするぞ」「ネットに音を掲載するのも課金対象だ」って、
お金を取ることばっかり考えてて、ユーザーの視点に立ったサービスが全然ないんですよねぇ。
暴走族は放っておきながら、駐車違反の摘発なんかには余念がないケーサツに似てなくもないですな。
どうも、著作権講座なのか、JASRAC悪口大会なのか、分からなくなってきましたが・・・
結論:払うもん払ってから文句を言うっ!